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1974年に発表された作品「Relayer」(リレイヤー)はLP時代には全3曲と大作主義が再び顔を出し何かと「Close To The Edge」(危機)と比較される作品。(CDになってからはボーナス・トラックが3曲追加されている)スタジオアルバムとしては7枚目。

本作ではリック・ウェイクマン(Key)が脱退し、替わりにスイス人のパトリック・モラーツ(Key)が加入したことにより、ジャズ・ロック色を深め、ヘヴィで攻撃的なサウンドと、それに対となる穏やかで澄み切った楽曲からなる力作になっている。

「戦争と平和」、「悪と善」、「動と静」、そして「影と光」といった対照となるテーマを掲げながら、各メンバーの壮絶なバトルと調和と構築美に溢れた傑作。

アルバム・ジャケットはロジャー・ディーン。今回はモノトーン調で特に美しいが、裏面には大蛇が潜んでいるという、このアルバムの本質的2面性を現している。なお、パトリック・モラーツはこの1作品だけで脱退している。


曲名
1.「The Gate Of Delirium」(錯乱の扉)
2.「Sound Chaser」
3.「To Be Over 」

「The Gates Of Delirium」(錯乱の扉)は23分の大作。 新参加のパトリックのキーボードは「キラキラ」した音で、今までのYESには無かった種類の明るい雰囲気を作り出しており、ある種の気持ちよさを感じる。ジョンの歌声もハウのギターの音色も心なしか明るめだ。

しかし途中から音色はだんだんと重みを増し緊張感に包まれ始める。各メンバーの壮絶なバトルが展開され緊張感をもった音と音がしのぎを削る。

やがて演奏は後半の「SOON」に移っていく。緊張から緩和へ。見事な展開。実に美しい旋律が耳を捉えて離さない。ジョンの澄んだ美しい声が静かに全体をコントロールする。そして曲は静かに終わる。

「Sound Chaser」では出だしからメンバー同士がぶつかり合い、極度の緊張感を持った演奏が始まる。今までのYESの形式美や調和とは違い、まるで何かを破壊するかのような音色だ。それでいて、音楽としてぎりぎりのところで踏みとどまっている感じだ。

「To Be Over」は前曲から一転して、YESらしい形式美を持った作風の美しいスローナンバー。途中リズムが変わり美しいソロが流れる。ここでのYESは調和している。


本作の「Sound Chaser」のようなジャズ・ロック路線は長いYESの歴史において後にも先にもこれ1曲であり、計算の上に成り立っている緻密な楽曲構成のYESにあって「Relayer」(リレイヤー)の曲は特異であると言える。また本作はYESの歴史の中で、最もハードで、アグレッシヴで、アヴァンギャルドなものであることは間違いない。

どこか混沌とした世界観を持つ本作だが、ひと際ユニークな輝きを放っている。YESファンの間でも好き嫌いがはっきり別れる問題作で、美しい旋律も多々あるが、ジャズ・ロック的インプロゼーション好きの人向けのアルバムだろう。

演奏メンバー
Jon Anderson(Vo)
Chris Squire(Ba)
Steve Howe(Gt)
Alan White(Dr)
Patrick Moraz(Key)

soon - yes (relayer) 1974



50才以上の人でも腰抜かさないで聴けるか度・・7.0
メロディアス度・・7.0


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comment iconコメント ( 2 )

こんにちは。

アルバム・ジャケットかっこいいですね!
古さを感じさせない素敵な作品です。
お部屋に飾って置きたいぐらいです。
もちろん曲もばっちり!です♪
この時代のロックは重くて深いあじわいがあり
私は好きです。
それでは。

名前: nonpy [Edit] 2012-01-13 09:44

nonpyさんへ

nonpyさん、こんにちは。

僕もこのアルバム・ジャケット大好きなんですよ。
それで表と裏の両方表示してみたのです。LP時代は
結構大きくて、それは迫力ありました。

70年代のブリティッシュ・ロック、とても素晴らしい
曲が沢山あります。nonpyさん、なかなか通ですね。

でもこれで、個人的には70年代、一応整理できましたので,
来週あたりから一気に21世紀に飛ぶ予定です。

またよろしくお願いします。

名前: H(エイチ) [Edit] 2012-01-13 11:50

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